株式会社ZOZO
ZOZO, Inc.
誰もが「なりたい自分」になれる。
ZOZOがファッションを通じて目指す未来
ファッションEC「ZOZOTOWN」をはじめ、ファッションに関わる様々なサービスを提供する株式会社ZOZO。ファッションとテクノロジーを通じて、サステナビリティを推進し、あらゆる人がファッションを楽しめる社会の実現を目指している。
今回、Youth Prideへのスポンサーとして参加した経緯や、企画しているステージ「PERSONAL STYLE SHOW 2025」に対する想いを、Youth Prideの運営メンバーが株式会社ZOZO コミュニケーションデザイン部 サステナビリティ推進ブロックの改正菜摘さんと小山梨織さんにお話を伺った。
聞き手/髙松孟晋 撮影/清原明音
【登壇者】
株式会社ZOZO コミュニケーションデザイン本部 コミュニケーションデザイン部 サステナビリティ推進ブロック ブロック長 改正菜摘さん(写真左)
株式会社ZOZO コミュニケーションデザイン本部 コミュニケーションデザイン部 サステナビリティ推進ブロック小山梨織さん(写真右)
Youth Prideのコンセプト「ありのままを愛そう」に共鳴。
ファッションとテクノロジーで、誰もが“自分らしさ”と出会える場を
ー今年からの新しい試みであるYouth Prideに協賛を決めた経緯を教えてください。
小山梨織さん(以下小山) Youth Prideの「ありのままを愛そう」というコンセプトは、性別や年齢、国籍や体型にかかわらず、誰もが自由にファッションやメイクに挑戦できるような多様性が尊重される社会の実現を目指すものであり、当社の理念とも一致していると感じています。
当社ではファッションを通じて自分らしさの表現を後押しすることで、DE&Iを推進しています。その取り組みの一環として「似合うラボ」という、ZOZO独自のAIとプロのスタイリストが自分の「似合う」を見つけるという体験施設を運営しています。
昨年はその似合うラボで、GIVENCHY BEAUTYさんと認定NPO法人Rebitさんの三者で、LGBTQ+当事者の方が自分らしいスタイルを楽しむというパーソナルスタイリング体験会を実施しました。
体験者の方とのコミュニケーションや、Rebitさんによる研修を通じてセクシュアルマイノリティの方々を取り巻く現状を知り、ファッションやメイクに関するお悩みが多数あるということを改めて認識しました。
ファッションやメイクを通じて、誰もが「なりたい自分」になって楽しむことを伝えたい、そして、ZOZOTOWNを運営するプラットフォーマーとして、Youth世代にファッションやメイクを通じた自己表現をもっと楽しめるよう応援したいという想いから、今回Youth Prideへのサポートを決めました。
ーファッションは自己表現の手段として重要な手段のひとつです。ZOZOTOWNなどを運営してきた中で、お客様の傾向に変化は感じられますか。
改正菜摘さん(以下、改正) 私たちが「似合うラボ」をつくった背景にもつながりますが、以前はモデルさんやタレントさんといったファッションリーダーをお手本にして、大多数の人がそこを目指すという傾向があった時代を経て、今は自分に似合うものを探して選び取るようになってきていると思います。TPOはわきまえつつも、学校や職場など、自分らしさを洋服で表現できる場が増えていることも一因と考えています。
「メンズ/レディース」の壁を超えて。
オンラインだからこそできる、すべての人に心地よいファッション体験の追求
ー現在、ファッション業界の多様性の取り組みにおける「ハードル」はどんなものがあるのでしょうか。
改正 洋服を選ぶ時、たとえば「メンズ」「レディース」と分かれていることが多く、それが便利だと感じるシーンもありますが、身体の性と性自認・性表現が一致しない方にとってはもどかしいし、居づらい空間であると感じることはいまだに多いと思います。
そういった方はもちろん、サイズ選びなどにおいても、ECサイトであるZOZOTOWNとして、もっとできることはないかと常に考えています。表記や検索軸など、お客様の声を伺いながらさまざまな部分でテクノロジーを利用し、誰もが使いやすいサービス、ファッション業界の実現を目指しています。
小山 すべての方にファッションを楽しんでいただくにあたって、ZOZOだけ取り組みを率先しておこなうだけでは業界全体としてはまだ小さな一歩にしかすぎないと考えます。出店していただいているブランドの皆さんとともにできることを模索していければと考えています。
ーYouth世代を含む多様な若者世代の支援を通じて、企業としてどのようなことを実現したいですか?
改正 ファッションは本来ルールがあるわけではなく、多様な文化や価値観、感性によって成熟してきたものです。そして、それを楽しむカルチャーの醸成には、多様性が不可欠だと考えます。
誰もが自分らしさを表現して可能性を発揮できる社会の実現によって、よりファッションが盛り上がることを期待していますし、私たちはファッションとテクノロジーをかけ合わせて、より多くの人になりたい自分を見つけられる、また多様性を受け入れられるようなきっかけを提供していきたいと考えています。
「work with Pride」レインボー認定も獲得。
社員一人ひとりの意識改革から、誰もが活躍できる環境づくりへ
ー会社としてのDE&Iに関する取り組みについて教えてください。
改正 社内の取り組みとしては、社員に向けて啓発イベントや研修を実施しているほか、LGBTQ+コミュニティを支援する団体様への賛同寄付なども毎年実施しています。
また、毎年プライド指標である「work with Pride」や、DE&Iアワードにエントリーをしていて、その機会を通じて社内の見直しを図り、関連部署と話し合いを通じて、どのような整備状況になっているかなどを確認しています。
例えば現在、ZOZOの社内規定において配偶者の定義には同性パートナーも含まれており、当社の社員はパートナーの性別に関わらず慶弔などの適用も受けられるようになっています。また、誰もが活躍できる社会をめざし、障害のある方を含む多様な人材が活躍できる環境づくりにも力を入れています。
社外では、イベント等への協賛やLGBTQ+当事者向けのスタイリング支援を実施しているほか、「出前授業」という形で、小学校・中学校・高等学校にダイバーシティを学ぶ機会も提供しています。
ーそういった取り組みの成果はいかがでしょうか。
改正 定期的なセミナーやeラーニングの実施を通じて、社内の理解度は着実に高まっていると感じています。「work with Pride」のプライド指標においては、昨年最高位であるゴールドに加え、さまざまなステークホルダーを巻き込んだ取り組みが評価され、「レインボー認定」をいただくことができました。
(※レインボー認定:ゴールド認定企業の中から、特に社会的な影響力のある取り組みを行った企業に授与される)
「自分の存在が大切にされている」と実感できる社内文化を。
多様な視点が、より良いサービスを生み出す
ー今回のYouth Prideへの参加を通じて、社内への影響や変化を期待されていますか。
改正 今回のイベントへの参加をきっかけにより多くの従業員が多様性への理解を深め、インクルーシブな行動が日常的に根付いていくことを期待しています。
また、社内にいるLGBTQ+当事者やその家族・ご友人にとっても、自分の存在が大切にされていることを実感できる環境作りにつなげたいとも考えています。
当社は若年層を中心に幅広い世代にご利用いただいているZOZOTOWNを運営しており、すべてのお客様にとってより良いサービスをお届けすることが軸としてありますので、さまざまなバックボーンを持つ多様な人達への理解を深め、会社全体で多様性を尊重したサービス運営を目指しています。
GIVENCHY BEAUTYと共に創る、自分らしさを解き放つランウェイ。
「なりたい自分」を叶える感動体験を
ー今回、Youth Prideのステージで開催を予定している
「PERSONAL STYLE SHOW 2025」 by GIVENCHY BEAUTY &ZOZO ~「なりたい自分」を叶えるメイクデモとスタイリングショー~ について教えてください。
小山 このステージは、モデルとしてご登場いただくYouth3名が「なりたい自分」になるためのスタイリングやメイクをデモンストレーション形式で紹介する企画です。
ファッションやメイクは「誰かに合わせるもの」ではなく、「自分自身を自由に表現するためのもの」だというメッセージを込めて発信したいと考えています。GIVENCHY BEAUTYさんと一緒に、LGBTQ+の方々をはじめとするすべての人に、「なりたい自分」を叶える後押しができると嬉しいです。
ー今後、社会に対してどのようなメッセージを伝えていきたいですか?
改正 ZOZOとしては、教育機関やNPO法人との連携を強化し、ファッションとテクノロジーを活用した情報発信を通じて、若い世代を中心に、幅広い世代を応援していきたいと思っています。スタッフの声も取り入れ、よりユーザーにとって身近な企業として人々に寄り添う形での取り組みを続けていきたいです。
小山 Youth世代だけではなく、すべての世代の人に「自分らしく生きること」の素晴らしさを伝えたいです。ファッションは自己表現のツールの一つですが、どんな価値観や背景を持つ方でも自分らしく輝かせてくれるものです。そのファッションの持つ可能性を、今回のステージを通じて伝えることができればと思います。
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ファッションとテクノロジーで「自分らしさ」の表現を追求し、無限の彩りを添えるZOZO。「ファッションは、もっと楽しく、もっと自由に」。その想いが、多様な個性を祝福し、一人ひとりが主役となって輝ける社会を後押ししていくに違いない。Youth Prideでのステージは、誰もが自由に自己表現できる未来への、心強い一歩となるだろう。





