家族のあり方と法律上の家族の形

同性婚の法制化が見えてきた今、私たちは改めて「家族」や「パートナーシップ」について考える段階に入っている。
婚姻平等、つまり同性婚の法整備は喜ばしいことではあるが、従来の「家と家」を前提とした結婚の枠組みをそのままLGBTQ+コミュニティに当てはめるだけで、本当に人権の回復につながるのだろうか。
同性婚が法制化された後に生じる可能性のある新たな課題とは何か。
この機会に、「家族とは何か」を改めて問い直す場を提供したい。

登壇者(敬称略)

  • 岡野八代

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教員。
    専門は西洋政治思想史・フェミニズム理論。主著に『ケアの倫理と平和の構想――戦争に抗する 増補版』(岩波現代文庫、2025年)、『ケアの倫理――フェミニズムの政治思想』(岩波新書、2024年)、『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(白澤社、共著、2020年)、『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)など。

  • 松田和樹

    中央大学日本比較法研究所専任研究員
    博士(法学)。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。専門は法哲学、その中でも家族と法の哲学。主な論文に、「婚姻の契約アプローチの展開と課題:クレア・チェンバーズの「婚姻なき国家」の批判的検討」(野崎綾子著『新版 正義・家族・法の構造変換:リベラル・フェミニズムの再定位』勁草書房・所収)など。

  • 上杉崇子

    弁護士、公益社団法人Marriage For All Japan 理事
    結婚の自由をすべての人に東京訴訟共同代表として、性的指向及び性自認にかかわりなくすべての人に結婚の選択肢が保障される社会を実現するための活動を続けている。日台・日米同性カップルの在留資格訴訟、東京弁護士会のセクシュアリティ平等実現の取り組み等LGBTQに関する活動多数。近著に岩波ブックレット『同性婚法制化のためのQ&A』(共著)。