国際的な反ジェンダー運動を冷静に分析・対応するためには

近年、アメリカ政権の影響を受け、反DEI(多様性・公平性・包摂性)運動が活発化し、その影響は私たちの社会にも少なからず及んでいます。ジェンダー平等や社会的包摂を進めるためにはアメリカ以外の国々の状況にも目を向け、冷静かつ多角的に現状を捉えることが不可欠です。
本セッションでは、トランスジェンダー差別、フェミニズム、そして世界各国における社会的課題について、各分野の専門家がそれぞれの視点から意見を交わします。そして、日本にいる私たちがどのようなアプローチをとるべきか、より効果的な行動を考える場とします。

登壇者(敬称略)

  • 清水晶子

    東京大学大学院総合文化研究科教授
    東京大学教養学部教養教育高度化機構D&I部門長。専門はフェミニズム/クィア理論。主な著書に『フェミニズムってなんですか?』(文春新書)、『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(共著、有斐閣)、『読むことのクィア——続 愛の技法』(共著、中央大学出版部)など。微妙に隠キャだが愛情深い美形のゲイ(多分)のトイプードルと、少し間抜けでお調子者のハバニーズ(SOGI不明)の世話係。

  • 福永玄弥

    東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属教養教育高度化機構D&I部門准教授。
    「東アジアにおける植民地主義・冷戦体制と性の政治」が研究の主な関心。主な著作に、『性/生をめぐる闘争——台湾と韓国における性的マイノリティの運動と政治』(明石書店)、「男たちの帝国と東アジア」(『エトセトラ vo.10』)、「失敗の留学ノート、あるいは『流氓』をめぐる覚え書き」(『現代思想 2024年11月臨時増刊号』)など。

  • 高井ゆと里

    群馬大学准教授
    倫理学者。共著に『トランスジェンダー入門』『トランスジェンダーQ&A』、編著『トランスジェンダーと性別変更』、訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』がある。

  • 松岡宗嗣

    一般社団法人fair代表理事
    愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、Yahoo!ニュースやGQ、HuffPost等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって - アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など