みたらし加奈

作品名|世界が壊れても
本作品は、トランスジェンダーの若者に向けたチャリティーイベント「クィアフリマ」のために製作をいたしました。社会から「異質なもの」として扱われ続けるクィアの歴史をなぞりながら、人が心に持つ「怪物」にどう寄り添えるかを考えました。
異質なものとして扱われてきた私たちにも、夜を照らす明かりがあります。世界が壊れても、生命は生まれ、生きるために存在し、そこに在り続けます。
地面に広がるカラフルな破片は、何度も使われたパレットからこぼれ落ちた絵の具たちです。本来であれば洗い流され、捨てられてしまう破片をキャンバスに敷き詰めました。この社会にとって「必要」か「不必要」かを決めているのも人間ですが、不必要なものなんて何ひとつないのです。何かを不必要だと決めつけ、排除する社会は、いずれ他者への優しさすらも握りつぶしてしまうかもしれない。「異質で不要なもの」たちが集まる世界は、寂しくて哀しくて、あたたかい。そんなあなたの味方でいたくて、この作品を作りました。どうかあなたの暗闇が優しい場所になるように。
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