能村
作品名|The Garden
“The Garden”というと、エデンの園という言葉が連想されます。さらには罪、誘惑、あるいは「閉ざされた楽園」といったイメージでしょうか。
宗教観や既存の倫理観の中で、同性愛が「異常性欲」とされていた時代。あるいは雑誌に取り上げられたとしても、『奇譚クラブ』に性的「嗜好」の一つとしてのみ掲載されていた時代を思うと、今は随分と状況が変わったように感じます。
私はよく、ゲイバーが社交場としての役割を十全に果たしていたであろう時代に思いを馳せます。叶わぬ願いではありますが、三島由紀夫の『禁色』に登場する「ルドン」のモデルとなった「ブランスウィック」を訪ねてみたかった、というように。
「閉ざされた楽園」の中でのみ同性愛者として振る舞える時代、そしてその「聖域」という耽美。学校という知恵を授かる閉鎖空間で疑惑をかけられ、怯えていた「閉ざされた庭」という恐怖。
画面を覆う蓮の中に佇む、表情を持たない学生服の青年たち。彼らは特定の誰かではなく、「閉ざされた楽園」であり「閉ざされた庭」であった場所で生きた、無数の匿名的存在の象徴です。
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