能村 (Noumra)

作品名|In My Closet

クィアアートは、裸または露出した体、メイク、衣服などを通じた性表現をモチーフとし、外的要素を含んだ視覚的なアプローチを通じて「クィア」という概念を探求する手法が採られることがあります。このアプローチは、社会的規範への挑戦と自由な自己表現を具現化する手段として重要な役割を果たしていると考えられます。

一方、本作「In My Closet」は、「クローゼット」という言葉が喚起する心理的側面に焦点を当て、内的視覚表現に重きを置くことで、内面の葛藤やアイデンティティの探求、そこにいる、またそこにいた頃の自分もまとめて愛する事をコンセプトとしました。「クィア」と呼ばれる人々には、それぞれの「クローゼット」があり、その中でさえも誇りを持ち、自己を尊重して生きています。明るい表現だけでなく、誰にも立ち入ることのできない空間の中で育まれるプライドを具現化したいという思いが、本作には込められています。

なお、「外的」および「内的」という用語は、視覚的な効果の違いを示すものであり、どの作品もアーティストの内面に根差した表現に基づいて制作されていることに変わりはありません。