ギリアド・サイエンシズ株式会社
Gilead Sciences K.K.
ここにいる、ずっと。ギリアドが描く「共に歩む」インクルージョンの形

HIV治療・予防の分野で世界をリードする研究開発型バイオ医薬品企業、ギリアド・サイエンシズ。その日本法人であるギリアド・サイエンシズ株式会社は、Tokyo Pride Pride Parade & Festivalへの協賛を開始してから今年で5年目を迎える。インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)を企業文化の根幹に据え、LGBTQ+コミュニティとの連帯を社内外で体現し続けてきた。
また、Pride Festivalの同社ブースを訪れた来場者たちと2年間の対話を重ねながら、一つひとつの声を丁寧に拾い上げて生まれたアクティビティカードが、今年ついにお披露目される。
Tokyo Pride 2026の開催にあわせ、同社代表取締役社長のアンドリュー・ヘクスター氏(以下ヘクスター氏)に話を聞いた。
取材・文/辻田 健作 撮影/清原 明音
HIV流行終結へーどこに住んでいる誰にとっても。「科学」と「多様な声」の両輪で
――ギリアドのLGBTQ+支援やI&Dへの取り組みについて、社長としてのお考えをお聞かせください。
ヘクスター氏 ギリアドとして、Tokyo Prideに5年間関わり続けてこられたことは、私にとって本当に誇らしいことです。企業としての取り組みである以前に、その中心にいる偏見や障壁に直面してきた人々の存在があるからこそ特別な意味を持ちます。LGBTQ+コミュニティを支援してパートナーシップを築く、そしてI&Dを推進することは、人々の生活を向上させるというギリアドのミッションと切っても切り離すことのできないものです。
前職を含めHIV分野に携わって20年以上になりますが、差別が健康だけでなく人としての尊厳にも大きな影響を与える現実を多く見てきました。これは私個人にとって、私たちがどのように耳を傾け、どのように行動し、どのように患者さんを最優先に考えるかを形づくる経験となっています。また仕事で関わる以前から、友人や家族、身近なコミュニティの中にHIVの影響を受けている人たちがいました。HIVをめぐるスティグマ(*)をなくすこと、インクルージョンを高めること。そうした活動への想いは、ずっと変わっていません。
私は、香港を拠点にアジア5地域のビジネスリーダーを務めていた時期に、韓国・台湾・シンガポールなどでプライド・アライアンス・グループを立ち上げ、同僚とともにLGBTQ+への意識向上とスティグマの払拭に取り組みました。その後アメリカにてHIV戦略に携わり、グローバル・マーケティングの責任者として治療・予防・パイプライン(新薬開発)に関わる中で、低中所得国への長期作用型薬剤の提供など、世界規模の課題とも向き合ってきました。こうした経験すべてを、日本でのコミュニティ支援とHIV流行終結に向けた活動に活かしていきたいと思っています。
(*)スティグマ(Stigma)とは、特定の事象や属性を持った個人や集団に対する、間違った認識や根拠のない認識のこと。

社内の3人に1人が参加するERGと、日本社会への発信
――LGBTQ+支援やI&Dについて、ギリアド日本法人として具体的にどのような取り組みをおこなっていますか。
ヘクスター氏 革新的な薬剤を届けることと同じくらい大切にしているのが、LGBTQ+当事者のことを社会に正しく理解してもらうことです。思い込みや偏見なしに、対等な存在として受け入れられる社会をつくっていく。そこに力を入れています。
ギリアド日本法人には「プライド・アライアンス」という従業員リソースグループ(ERG)があり、全社員の3割以上が所属して活動しています。約3人に1人が当事者やアライとして関わっている計算です。そのエネルギーを、社外のコミュニティにも届けていきたいと考えています。
Tokyo Prideは意義のある素晴らしいイベントです。同時に、1年で考えると点に過ぎません。イベント以外の時間にも、医療従事者やコミュニティ、行政と協力しながら継続的な活動を続けることが重要です。
LGBTQ+のヘルスケア課題のひとつでもあるHIVの流行終結に向けた活動も行っています。HIV/AIDSに関する知識の啓発、予防・検査・治療の推進を目指し、2021年にコンソーシアム「HIV/AIDS GAP6」を設立しました。
また2026年3月には、5つのコミュニティ・HIV陽性者支援団体とともに、2030年までのHIV流行終結を目指すMessage Photo & Video Project「知ることから、できることへ。HIV流行を終わらせよう」を立ち上げました。HIV/AIDSへの正しい理解を社会全体に広め、新たなムーブメントをつくっていくことが目標です。

傷ついた言葉を「癒しの言葉」へ。アクティビティカード誕生の軌跡
――今年のPride Festivalのブースで披露される「アクティビティカード」について教えてください。
ヘクスター氏 まずギリアドのブースで一番に伝えたいのは、ギリアドはLGBTQ+コミュニティの「パートナーとして、ずっとここにいる」ということです。5年間にわたり関わり続けてきたのも、その想いの表れです。そして、今年はその姿勢を「アクティビティカード」という形で届けます。
このカードは、Pride Festivalのブース来場者の協力のもと、2年間かけて作り上げたものです。2024年は、「これまでの人生で傷ついた場面はありましたか?」というアンケートを実施し、581件もの回答が集まりました。2025年は、その「傷ついた言葉」に対して「どんな癒しの言葉をかけられるのか」というポジティブな声を募集すると、1,911件もの「言葉」が寄せられました。このカードは、そうして積み重なった声から生まれています。
大切にしているのは「答えを提示すること」ではなく、「一緒に考えるプロセス」です。傷つく場面に直面したとき、どう受け止め、どう言葉をかければいいか。プライドハウス東京の監修のもと、対話型で考えられる仕掛けになっています。
また、ギリアド日本法人のメンバーが「傷ついた言葉」をどう受け止め、どう転換できるかを考え抜いてくれていたことを、とても誇りに思います。何が人を傷つけるのかという「気づき」は、誰にでも欠けている部分があります。このカードはそういう場面で、どう言い、どう行動するかの手がかりを与えてくれます。長年、LGBTQ+コミュニティと関わってきた私自身も、このカードから多くを学びました。

毎日続く「カミングアウト」という現実
――アンドリューさんがアライとして活動し続ける理由や原体験を教えてください。
ヘクスター氏 育った環境の中に、LGBTQ+コミュニティに関わっている友人や親戚が多くいました。コミュニティをサポートしたい、一緒に声を上げたいという気持ちは、製薬業界に入るずっと前、学生の頃からありました。香港でビジネスリーダーを務めていた頃も、「声を上げにくい」と感じている同僚の姿を目の当たりにして、代わりに声を届けることが自分の役割だと強く思うようになりました。
忘れられない言葉があります。長年親しくしている同僚が、あるときこう話してくれたんです。「カミングアウトは一度きりじゃない。毎日、誰に会うかによって、するかどうかの決断を迫られている」と。その言葉を聞いたとき、毎日どれほどのプレッシャーの中で生きているかを改めて実感しました。だからこそ、当事者に代わって声を上げ続けることが自分の役割だと思っています。
次の世代へ。Tokyo Prideの先にあるもの
――そうした取り組みを通じて、ギリアド日本法人として今後目指す姿を教えてください。
ヘクスター氏 社内では、ERGをさらに強化し、すべての社員が自分らしくいられる環境をつくっていきたい。そして社外では、医療の場でも社会の場でも、LGBTQ+コミュニティへの理解が深まるよう取り組みを続けていきます。
特に若い世代への教育は、とても重要だと感じています。子どもたちが早い段階から、インクルージョンや他者を尊重することを自然に学べる環境をつくっていくことで、よりオープンでインクルーシブな社会を、時間をかけて作っていきたい。私自身、息子がまだ幼い頃にサンフランシスコ・プライドに連れて行ったことがあります。何のイベントかもよくわからないまま、はしゃぎながらチラシを配り回っていましたが(笑)、そういう経験の積み重ねが、多様性を当たり前のこととして受け止める感覚をつくっていくのだと思っています。
日本には、この分野でリーダーシップを発揮できるチャンスがあると感じています。日本だからこそできる活動を、ここから世界に広げていけたら面白い。
ギリアドの目標は、HIVを「どこに住んでいる誰にとっても」終わらせることです。それが私たちの、LGBTQ+コミュニティと社会に対する変わらないコミットメントです。

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「パートナーとして、ずっとここにいる」——ヘクスター氏がブースで伝えたいというその言葉は、5年間のTokyo Prideに関わり続ける中で、体現してきたギリアドの姿勢そのものだ。アクティビティカードに込められた一つひとつの声を手がかりに、HIV流行終結というゴールへ向けて、ギリアドはコミュニティと共に歩み続ける。
提供:ギリアド・サイエンシズ株式会社



































































































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