日本ロレアル+こどまっぷ
NIHON L'ORÉAL K.K.+Kodomap
美しさはひとつじゃない、かぞくのカタチも1つじゃない。多様な家族の未来を伝える展示

Tokyo Pride 2026 Pride Parade & Festivalでは、企業とNPO・当事者団体が連携・協働をし、さまざまな課題の解決や目標を実現することを推奨する目的で、「企業 × NPO・非営利当事者団体 セクター間コラボレーション出展ブース」を設けた。その一つが、世界最大の化粧品メーカーの日本法人である日本ロレアル株式会社と、LGBTQ+の「子どもを持つ」という選択肢を支える一般社団法人こどまっぷによるコラボレーションだ。
「美しさはひとつじゃない。かぞくのカタチもひとつじゃない」というテーマを掲げたこのブースでは、当事者家族の日常を映し出す「シルエットファミリー写真展」に加え、子どもたちが描いた家族の似顔絵を展示。
なぜ、ビューティーカンパニーが「家族」を語るのか。そして、この出会いが社会にどのような風を吹き込んだのか。日本ロレアルの山本 達郎さん、ウィラコーン わたるさん、髙橋 佑芽さん、こどまっぷの長村 さと子さん、もだ まみこさんにお話を伺いました。
聞き手・文/御代 貴子 写真/清原 明音
「日々の生活に寄り添う」という共通点から生まれたコラボレーション
――はじめに、ロレアルグループにおけるDE&Iの取り組みと、こどまっぷの活動内容を教えてください。
山本 達郎さん(以下、山本) ロレアルグループは、フランスに本社を置くビューティーカンパニーとして、グローバル全体で多様性、公正性、包摂性を最優先事項の一つとして進めています。その取り組みには、大きく4つの柱があります。ジェンダー平等とLGBTQIA+、障がい者のエンパワーメントとインクルージョン、年齢や世代を超えた対話と協働、そして社会経済的・文化的な多様性です。
私たちは、美とは多様な色合いを持つものだと考えており、誰もが安心して自分らしく暮らせる社会の実現に貢献することを使命としています。多様性、公正性、包摂性の取り組みにおいても、この考えが根底にあります。

長村 さと子さん(以下長村) こどまっぷは、2010年からLGBTQで子どもを持ちたい人の交流会を始め、2018年に社団法人化しました。主な目的は、LGBTQが子どもを持つ未来を当たり前に選択できる社会を作ることです。
日本においてLGBTQ当事者が子どもを持つには、法制度や医療、偏見など、多くの壁があります。そこで私たちは、情報提供や交流会、ピクニックなどの居場所作りを通じて、当事者が一人で悩まずに済む環境を整えています。
もだ まみこさん(以下もだ) 私たちが何よりも大切にしているのは、子どもたちの幸せです。親のセクシュアリティに関わらず、望まれて生まれてきた子どもが一人でも多く幸せに育つことを願って、活動しています。

――今回、日本ロレアルからこどまっぷに声をかけられたそうですが、その経緯を教えてください。
ウィラコーン わたるさん(以下ウィラコーン) 私が日本ロレアル社内で提案したのがきっかけです。最近の社会におけるテーマとして、当事者の日常生活や未来という、よりライフステージに踏み込んだ部分に焦点が当たっていると感じていました。今年のセクター間コラボレーションは、それをテーマにしたいと考えたんです。
こどまっぷは、まさに日常生活にフォーカスし、昨年のTokyo Pride 2025 Pride Parade & Festivalでも「シルエットファミリー展」を通じて家族のあり方を可視化されていました。私たちロレアルグループも、お客様が毎日朝起きてから夜寝るまで寄り添う製品を提供するビジネスを展開しています。この「日々の生活に寄り添う」という共通点から、何か一緒にできないかと思いました。

長村 最初にお話をいただいたときは、正直驚きましたし、とても嬉しかったです。私たちは普段、泥臭い社会課題や制度の問題に必死に向き合っているので、ロレアルさんのような華やかなイメージの企業とご一緒できるのは、憧れでもありました。
もだ 私たちが普段アプローチしている層とはまったく違う方々にリーチできるのではないか、という期待もありました。
また、お話をいただいてから改めてロレアルグループの取り組みを拝見すると、表面的ではなく、その根っこにある想いの強さを感じたんです。世界的なブランド力も想いもある企業が、多様な家族の形を後押ししてくれることで、どんなシナジーが生まれるんだろうとワクワクしました。
リビングルームのような空間で、多様な家族の形を自然と感じられるように
――展示のテーマや企画のプロセス、こだわったポイントについて教えてください。
髙橋 佑芽さん(以下髙橋) まず、Tokyo Pride 2026 Pride Parade & Festivalの3か月前、日本ロレアル社内から18名のボランティアメンバーが集まり、こどまっぷに勉強会を開いていただきました。コラボブースのコンセプトを考える前に、LGBTQIA+のカップルが子どもを持つ過程で直面する課題を学びたかったんです。お話を聞くと、多様性、公正性、包摂性に携わっている私たちも初めて知ることが多くありました。
その後、ディスカッションを重ねる中で辿り着いたテーマが「美しさはひとつじゃない。かぞくのカタチもひとつじゃない」です。
ブース展示では、こどまっぷの「シルエットファミリー写真展」をブースの動線の中央に配置しました。ロレアルの製品に興味を抱いて来場された方々が、必ずこの展示を目にするようにこだわりました。

もだ 私たちが意識したのは、展示がブースの雰囲気に「馴染む」ことでした。リビングルームのようなコンセプトの空間に、ふと見ると家族写真が飾ってある。当事者団体の展示であることを主張しすぎず、日常の風景として溶け込む雰囲気を作って、通りがかった人が自然に「あ、こういう家族もいるんだ」と感じるような展示を目指しました。

――さらに今回は、子どもたちが描いた「家族の似顔絵」も展示されていましたね。
ウィラコーン スーパーなどでよく見かける「パパ・ママの似顔絵」は、今の社会では「お父さんとお母さん」という枠組みになりがちですが、どんな形でもいいはずです。そこで今回は、こどまっぷと繋がりのあるお子さんたちに、自由な視点で家族を描いてもらいました。
髙橋 また、お子さんと一緒に来場した方が安心して過ごせるよう、工作やお絵描きをして遊べるコーナーも用意しました。

多様な未来の選択肢がある。来場者の心に響いたメッセージ
――来場した方の反応はいかがでしたか?印象的なエピソードがあれば教えてください。
山本 私の友人で、非当事者でアライの女性がパートナーと一緒に来てくれたのですが、後日、彼女から長文のメッセージをもらったんです。「これまでは、当事者“カップル”のイメージが強かったけれど、その先に“家族”の形があることに気づけた」と言ってくれて、社会課題を自分事として捉えてくれたことに感動しました。
長村 ある来場者の方が、子どもたちが描いた似顔絵を見て涙を流されていました。「これ、お子さんが描いたの?」と聞かれ、ハグをしながら「本当に応援しているから」と言ってくださって……。私たちの活動がしっかりと届いていることを実感し、私自身も元気をいただきました。
ウィラコーン 当事者の友人からは「自分に子どもが持てる未来があるなんて思ってもみなかった」と、勇気づけられたという声をもらいました。これまで可視化されてこなかった未来の選択肢を提示できたことは、大きな意味があったと思います。

――今回のコラボレーションを経て、今後どのような展開を考えていますか?
山本 今回、こどまっぷから学ぶことがとても多く、Tokyo Prideに毎回参加することの意義を感じました。毎年、この場から多くを学び、発信し続けるからこそ、ビューティーカンパニーとしてより良い価値をお客様に届けていけるのだろうと思います。
髙橋 私も、継続することが何より大切だと感じています。大きな企業としてでなく、その中にいる私たち一人ひとりが、小さなことでも社会を変えていく意識を持ち続け、行動していきたい。そして、誰もが安心して自分らしく生きられる社会を目指していきたいです。
もだ Pride Parade & Festivalは2日間で終わりますが、人生はずっと続いていきます。今年はブースに足を運ばなかった人も、来年は目を留めてくれるかもしれない。だからこそ、私たちも活動を続ける必要があると思っています。
そして、当事者として生きるなかで感じるのは、「誰かをサポートするより、受ける方が難しい場合もある」ということ。困っている状態が当たり前で、その抑圧の中で生きているから、助けてもらえるとさえ思わなくなってしまうんです。
今回のコラボレーションで、こどまっぷだけでは実現できなかったことを成し遂げられました。こうして、いろいろな人がサポートし合える社会にするためには、自分の心も開いていく必要があるんですよね。これからも人の力を借りながら、子どもたちの未来を切り拓く活動を続けていきたいと思います。





































































































.png)










.jpg)

















