にじいろかぞく×アモーヴァ・アセットマネジメント×freee
Rainbow Family x Amova Asset Management x freee
DEIを社内で終わらせない。freeeがTokyo Pride 2026で行った当事者団体との協働のかたち

いろとりどりの風船に、たくさんのベビーカー。音楽に合わせて笑顔で手を振る親子たち。Tokyo Pride 2026のパレードにおいて、多様な「かぞく」の笑顔があふれる安心感に満ちた雰囲気を放っていたのが、多様な家族のありかたを伝える「Family Pride」だ。
数年前から、ファミリーをテーマとした複数の当事者団体が、合同で手弁当で運営を続けており、資金面に制約があった当事者団体に、フロート(パレードを先導する装飾された車)という形で支援をしたfreee株式会社(以下、freee)。彼らはパレードだけでなく、NPO法人「にじいろかぞく」「アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社」との三者協働ブースの現場でも、子どもたちが楽しめるオリジナルの「体験型ゲーム」を自社エンジニアたちが一から開発し、ブースの賑わいを生み出していた。
今回は、にじいろかぞくの共同代表・小野 春さん、青山 真侑さん、freeeのDEI担当・吉村 美音さん、そしてパレードの運営やゲーム開発、ブースの準備を担ったfreeeのメンバーの皆さんに、運営や準備の舞台裏を聞いた。
【登壇者】
NPO法人にじいろかぞく 共同代表 小野 春さん
NPO法人にじいろかぞく 共同代表 青山 真侑さん
freee株式会社 DEI Lead 吉村 美音さん
freee株式会社 offkatsu LGBTQ++allies 代表 板﨑 茉莉さん
※offkatsu…社内の部活動や有志による交流コミュニティの愛称
freee株式会社 パレード担当 金刺 由芽さん
freee株式会社 パレード担当 近久 千穂さん
freee株式会社 エンジニア 鈴木 智之さん
freee株式会社 エンジニア muroさん
freee株式会社 エンジニア よね(米田 愛恵)さん
聞き手/髙松 孟晋
撮影/清原 明音
【前編】「『寄付して終わり』にしない支援へ。にじいろかぞく ✕ アモーヴァ・アセット ✕ freeeの企業とNPOの新しい協働」はこちら。
「スモールビジネスを、世界の主役に」――DEIを経営の根幹に置くfreeeの使命
――freeeが、Tokyo Prideへの協賛や、LGBTQ+当事者団体の支援に深くコミットする理由を教えてください。
吉村美音さん(以下、吉村) freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げています。このミッションを達成し、社会のイノベーションを加速させるためには、あらゆるバックグラウンドを持つ人が属性にとらわれず、自分らしく活躍できる社会を作ることが不可欠です。
そのため、私たちはDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を経営の根幹に据えています。社内には、多様なメンバーが集まる「offkatsu(オフカツ)」というERG(従業員リソースグループ)があり、その中の「LGBTQ++allies(アライ)」が中心となって、今回のプロジェクトも主体的に動かしてくれました。

板﨑 茉莉さん(以下、板﨑) freeeには、入社時に全員が受けるDEI研修など、お互いを尊重しあう土壌やマインドセットが社内に浸透しています。でも、このマインドを社内だけで閉じるのではなく、「社会の中でどう発揮していくか」が大切だと考えていました。今回のコラボレーションは、私たちの持つエネルギーとリソースを、社会の課題解決へ直接つなげる絶好の機会でした。
「フロートを一緒に出す”支援”」
――今回の目玉の一つであった「ファミリーフロート(パレード先導用の装飾車)」の実現には、どのような背景があったのでしょうか。
吉村 以前から、こどまっぷさんやにじいろかぞくさんなど、多様な家族を持つコミュニティ団体の皆さんが集まり、「Family Pride」としてパレードに参加されているのを拝見していました。
しかし、活動資金に限りがあるNPOやボランティア団体にとって、パレード用のフロートを出すための費用にまで手が回らず、先導車までは出せずにいるという状況を知りました。「それなら、今年は私たちがフロートの費用とリソースを担う形で、一緒に大きなファミリーフロートを出しましょう!」と申し出たのがきっかけです。
青山 真侑さん(以下、青山)「FamilyPride」は、複数の当事者団体の合同で運営しているので、必要な物品も運営スタッフがそれぞれ自宅から持ちよったものでまかなうなど、なるべくコストをかけないよう努力を重ねて運営していました。参加してくださる方に配布する風船を買うのにも、どこかの企業様から寄付をもらえないかと話しあうほどでしたので、freeeさんから「フロート車を一緒に出そう」と言っていただけたときは、本当にメンバー全員で喜びました。

安心して歩くための「徹底したプライバシー配慮」と事前準備
――ベビーカーや小さな子どもたちが多く参加するFamily Prideは、運営においての工夫はありましたか?
金刺由芽さん(以下、金刺) 何よりも「参加される皆さんが安心・安全に歩けること」を最優先に考えました。パレード運営チームでは、事前に社内向けに共同出展団体の説明を含めた参加説明会を複数回開催しました。
説明会では、当日のタイムラインだけでなく、ベビーカーの安全な配置、音響スピーカーに近すぎないようにするための歩行位置の工夫、そしてプライバシーを守るための「撮影ポリシー」を徹底して共有しました。
板﨑 freeeには普段から「他人のプライバシーやカミングアウトの有無、個人の尊厳を尊重する」という行動ポリシーが浸透しているので、説明の際も「顔が勝手に写らないよう配慮すること」について、メンバー全員がすんなりと、自然に理解し行動してくれました。
金刺 DJチームは選曲にもこだわりました。LGBTQ+関連の曲だけでなく、パレードを沿道から応援してくれる人や、ベビーカーを押すお父さん・お母さん世代、そして子どもたちもみんなで一緒に楽しめるように、誰もが知っていてノリノリになれるような曲だったのが盛り上がれました。

青山 今までは「不意に写真を撮られて新聞に載ったらアウティングになってしまうかも」という、当事者特有の緊張感や負担が常にありました。特に、小さなお子さんを育てている当事者は、わが子の安全を第一に考えるので。でも、今年はfreeeという頼もしい存在がいてくれたおかげでアライの参加者も多かったですし、みんなが心から笑顔で、リラックスして歩くことができたと思います。
研修だけでは得られない、社会の「リアルな家族の姿」を肌で知る
――実際にパレードを終えて、freeeの社員の皆様にはどのような気付きがありましたか?
近久 千穂さん(以下、近久) 私は、前日のトラック装飾から当日の取りまとめまで担当しました。普段、社内のDEI研修などを通じて「多様な家族がいる」という知識としては知っていたつもりでした。しかし、実際に目の前で、たくさんのベビーカーが楽しそうに並び、子どもたちが大はしゃぎしている姿を見て、胸に迫るものがありました。
Muroさん 私も、普段はエンジニアとして画面に向き合っていますが、当日は一人のアライとして、家族連れの皆さんと一緒に歩きました。同じ音楽で盛り上がり、沿道の人たちと手を振り合う中で、言葉を超えた「一体感」を感じました。
板﨑 社内ではアライであることが「当たり前」になりすぎていて、逆に当事者の声が、普段の業務中には見えづらくなっている側面がありました。こうして街へ出て、汗をかきながら様々な家族のあり方を知り、沿道でレインボーフラッグを振るたくさんの人の笑顔に触れることで、あらためて自身が「次に自分がアライとして何ができるか」を主体的に考える最高のきっかけになったと感じています。

大人が話す間に、子どもたちが楽しめるゲーム開発
――にじいろかぞく・アモーヴァアセットマネジメントとの共同ブースでは、子どもたちが夢中になって遊べる「体験型ゲーム」をfreeeのエンジニアチームが自作したそうですね。
鈴木 智之さん(以下、鈴木) にじいろかぞくさんのブースは、大人が里親制度やLGBTQ+の育児についてじっくり相談したりお話したりする場所です。その間、一緒にきた子どもたちが手持ち無沙汰にならないように、「子どもが楽しく遊びに来ることで、親御さんもブースに立ち寄りやすくなるコンテンツを作ろう」と企画しました。
ゲームの要件は、どんな年齢層でも、直感的に操作できること。そこで、コントローラーやキーボードを使わず、カメラで認識した自分のポーズを画面上のキャラクターにシンクロさせてクリアする、非接触型のポーズゲームを作りました。
よね(米田 愛恵)さん 私は前日のブース設営や当日の準備を担当したのですが、本当にたくさんの子どもたちが立ち寄るきっかけになってくれたと思います。
鈴木 ただ、大盛況だったからこその「想定外の課題」もたくさんありました(笑)。コントローラーがないので簡単に遊べるようにしたはずが、いざ当日稼働させてみると、子どもたちの操作が私たちのテストの想定を遥かに超えていたり、長時間稼働でシステムが止まりかけたりして……。
保険として自分がブースに常駐していたのですが、当日はずっと現場で修正コードを書き、アップデートし続けていました。外を通りかかった人が外のモニターに向かって一生懸命万歳してポーズをとってくれたのですが、カメラはブース内のプレイエリアしか認識していなくて、「あ、そっちは動かないんです、中に入ってください!」と慌ててご案内したり(笑)。
ものづくりの厳しさを味わうと同時に、この生きたフィードバックを受けて、エンジニアチームは「次はもっとこうしたい!」「さらに直感的な体験を作りたい!」と、すでに来年に向けて燃えています。
1対1の深い「対話」と、社会の「面」とつながるパレードの化学反応
――今回のTokyo Pride 2026全体を通じて、得られた手応えを教えてください。
金刺 ブースでは、freeeのユーザーや「昔freeeに勤めていました」という方、そして「来年freeeに入社する予定です!」という内定者の方までが、ロゴを見つけて声をかけてくれました。
そこから「freeeって、こんな素晴らしい取り組みを応援しているんだ」と、企業の姿勢への信頼が深まる対話が、1対1でじっくり生まれたのがとても嬉しかったです。一方で、パレードではもっと大きな「面」で、社会全体と手を取り合ってパレードを盛り上げる感覚がありました。個の対話と、社会全体の一体感、その両方を一日の中で同時に体験できたのは、ものすごく良い経験になりました。
近久 今回は、コラボを通じてにじいろかぞくさんの想いをたくさん教えていただきました。でも、せっかくの素晴らしい協働をイベントの数日間だけで終わらせるのはもったいない。今後は、事前の準備段階からもっとお互いの普段の活動に参加させてもらったり、無理のない範囲で日常から関わりを持てるような仕組みを社内に作っていきたいなと思っています。
吉村 freeeの価値基準には「社会の進化を担う責任感」という言葉があります。NPOさんの持つ「専門的な知見や、当事者のリアルな声」と、企業が持つ「組織の推進力や発信力」が合わされば、1足す1が10にも100にもなる相乗効果を生み出すことができます。この熱量を一過性のフェスティバルで終わらせず、社会をアップデートする継続的なムーブメントとして、これからも私たちが力強くリードしていきたいですね。

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社内のオンボーディングや研修で培われた「思いやりのマインド」が、イベントの現場を動かす強固なエンジンとなり、ついには社会を照らす「ファミリーフロート」を動かした。
freeeが体現する「主体的なDEI」の形は、これからも多くの人々の未来の選択肢を広げ続けるだろう。
【前編】「『寄付して終わり』にしない支援へ。にじいろかぞく ✕ アモーヴァ・アセット ✕ freeeの企業とNPOの新しい協働」はこちら。




































































































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